デビュー以来、20年以上にわたって「演歌界の貴公子」「国民的プリンス」として期待され続けてきた氷川さん。しかし、その爽やかで男らしいパブリックイメージの裏側には、想像を絶する葛藤が渦巻いていました。
転機となったのは、2019年に発表されたロックチューン『限界突破×サバイバー』のパフォーマンスです。黒のボディスーツやアイラインを効かせた妖艶なメイクで激しくヘッドバンギングする姿は、これまでの演歌ファンの度肝を抜くと同時に、若年層やネットユーザーからも熱狂的な支持を集めました。
この時期を境に、雑誌のロングインタビュー等で「男らしく生きてほしいという周囲の期待と、本来の自分とのギャップに苦しんできた」「これからはありのままの自分、Kiinaとして生きたい」と胸の内を率直に明かしました。世間が呼ぶ「オネエ化」という枠組みすら飛び越え、自らの性自認や美的感覚をそのまま肯定するジェンダーレスな自己表現の確立こそが、大きな変化の決定的な理由です。