音源だけでなく、ステージ上で文字通り命を削るように歌われたライブパフォーマンスもまた、この曲を伝説足らしめている要因です。とりわけ1985年の代々木オリンピックプール(現・国立代々木競技場第一体育館)で開催された『LAST TEENAGE APPEARANCE』ツアーでの歌唱は、今なおファンの間で語り草となっています。喉を嗄らし、床に倒れ込みながら全身全霊でメッセージを放つ姿は、音楽の枠を超えたひとつのドキュメンタリーでした。
そして時代が進んだ今、そのDNAは長男であるシンガーソングライター尾崎裕哉氏へと受け継がれています。テレビ番組やフェスで披露される裕哉氏の『卒業』カバーは、父親を彷彿とさせる天性の声質と豊かな倍音を持ちながらも、確かな歌唱力と現代的なリリシズムを備えています。「単なるモノマネではなく、楽曲に込められた祈りを令和の時代に正しく手渡している」と、往年のファンのみならず若い世代からも惜しみない称賛が寄せられています。