電車の仕組みを徹底解剖!なぜ走る・曲がる・止まるのか技術の真実

電車の仕組みを徹底解剖!なぜ走る・曲がる・止まるのか技術の真実

電車の仕組みを徹底解剖!なぜ走る・曲がる・止まるのか技術の真実の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。

電車には自動車のようなステアリング(ハンドル)が一切ありません。運転士はブレーキと加速レバー(マスコン)を操作しているだけであり、進路を操作しているわけではないのです。それにもかかわらず、電車がカーブを滑らかに曲がり、時速数百キロの高速走行でも線路から飛び出さない理由には、驚くべき幾何学の仕組みが隠されています。

最大の秘密は、電車の車輪がカーブを曲がる仕組みにあります。電車の車輪は一見すると真っ平らな円盤に見えますが、実際には外側に向かって直径が小さくなる「すり鉢状(円錐状の傾斜=テーパー)」に削られています。この傾斜角はおよそ20分の1から40分の1という絶妙な勾配です。

電車が右カーブに差し掛かると、遠心力によって車体は外側(左側)に押し出されます。すると、外側の左車輪は直径が大きい部分でレールに乗るため「1回転で進む距離」が長くなります。逆に内側の右車輪は直径が小さい部分に乗るため「1回転で進む距離」が短くなります。自動車のディファレンシャルギアと同じ効果が、車輪の形状だけで自然に発生し、外側からの力で車体が自動的にカーブの中心へ戻ろうとする自己操舵機能(セルフステアリング)が働くのです。

さらに、万が一の過大な遠心力や突風に備えて、車輪の内側にはフランジと呼ばれる出っ張り構造が設けられています。このフランジがレールの内側側面に物理的に引っかかることで、車輪がレールから外側に滑り落ちるのを防いでいます。通常走行時、電車はテーパーの自己操舵によって浮き上がるようにカーブを曲がっており、フランジはレールにほとんど触れていません。フランジがレールに強く擦れるときだけ「キキーッ」という金属音が鳴ります。この二重三重の物理的バランスこそが、電車が脱線しない理由の核心です。

林 結菜
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林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。