超巨大地震と津波を巡っては、インターネットやSNS上で誤った言説や危険な思い込みが散見されます。防災上、特に是正すべき2大誤解を検証します。
誤解1:「強い揺れを感じなければ、津波を警戒する必要はない」
これは三陸沿岸でチリ地震津波の被害を拡大させた最大の要因であり、現代でも極めて危険な盲点です。震源が遠い「遠地地震」では、地震波が減衰するため日本列島は震度0(無感)であっても、数時間後に数メートルの津波が到達します。また、ゆっくり断層が滑る「津波地震(例:1896年明治三陸地震)」のように、揺れの体感は震度2〜3程度であっても30メートル級の大津波が押し寄せるケースがあります。「揺れが小さい=安全」という判断は命取りになります。
誤解2:「科学技術が進歩したため、近いうちに地震予知は実用化される」
ネット上では「〇月〇日に巨大地震が来る」といったデマが定期的に拡散されますが、地震学における結論として、「いつ・どこで・どれほどの規模」の地震が発生するかをピンポイントで事前に言い当てる科学的予知は不可能です。
気象庁や文部科学省の最新見解でも、決定論的な直前予知の実用化は困難とされています。現在進められている地震予知・予測の最新研究の主軸は、プレート境界の固着状態を衛星測位(GNSS)や海底観測網で捉える「地殻変動モニタリング」、プレートがゆっくり滑る「スロースリップ現象」の常時監視、そして過去の活動履歴から30年以内の発生確率を算出する「確率論的評価」へと移行しています。「いつ来るか」を当てる情報に惑わされるのではなく、「いつでも起こり得る」前提で備えることこそが科学的態度です。