クローン病としばしば比較される病気に「潰瘍性大腸炎」があります。どちらも原因不明の慢性的な腸の炎症を引き起こす指定難病「炎症性腸疾患(IBD)」に分類されますが、医学的な特徴や病変の広がり方には明確な違いが存在します。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜層に限定して連続的な炎症が広がるのに対し、クローン病は口腔から肛門に至る消化管全体のあらゆる部位に、飛び石状(非連続的)に深い炎症や潰瘍が形成されます。腸壁の深層まで炎症が及ぶため、腸の狭窄(狭くなること)や穿孔(穴が開くこと)、痔瘻(じろう)といった合併症のリスクが高い点もクローン病の大きな特徴です。
芸能界では、モデルで女優の高橋メアリージュンさんや、政界では安倍晋三元首相が潰瘍性大腸炎を公表したことでIBDの認知度が大きく高まりました。それぞれ病変部位や治療方針、食事のアプローチは異なるものの、どちらも「早期に炎症を抑え、安定した寛解期をいかに長く維持するか」が共通の治療目標となります。