皇室をめぐるニュースを理解するうえで、最も混同されやすいのが「女性天皇」「女系天皇」「男系天皇」「男系男子」という言葉の使い分けです。この違いは、単に「性別が男性か女性か」という点にあるのではなく、「父方をたどったときに歴代天皇(初代・神武天皇)につながるかどうか」という血統の系統関係によって定義されます。
まず「男系」とは、父、祖父、曾祖父と、父親の家系をどこまでも遡ったときに過去の天皇にたどり着く血筋のことです。その系統に属する男子を「男系男子」と呼び、現行の皇室典範第1条では「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と厳格に定められています。
一方、「女性天皇」と「女系天皇」は全く別の概念です。歴史上、推古天皇をはじめとして10代8方の女性天皇が存在しましたが、彼女たちは全員「天皇の娘」または「天皇の男系の血を引く女性」であり、例外なく「男系の女性天皇」でした。過去に一度も存在したことがないのは、母方のみから天皇の血を受け継いだ「女系天皇」です。
例えば、天皇陛下の長女である愛子内親王殿下(愛子さま)は「天皇陛下の娘」であるため、血統上は「男系女子」にあたります。愛子さまが仮に即位された場合は「女性天皇(男系女性天皇)」となります。しかし、愛子さまが民間出身の男性と結婚され、その間に生まれたお子さま(男女問わず)が皇位に就いた場合、そのお子さまは父親が皇統に属していないため、歴史上初となる「女系天皇」となります。