旧竹林院の代名詞ともいえるのが、主室の黒漆座卓に庭園の緑や紅葉が鮮明に映り込むシンメトリー構図です。「せっかく訪れたのに、光が反射してうまく写らなかった」「人が写り込んでしまう」という失敗を防ぐため、まずは現場で実践すべき写真撮影の決定的テクニックを押さえておきましょう。
最大のコツは、「スマートフォンのカメラレンズを下側にして構える(天地逆さ持ち)」ことです。レンズを座卓の天板スレスレ、数ミリ浮かせた位置まで近づけることで、テーブルの境界線が消え、まるで水面に庭園が溶け込んでいるかのような幻想的なリフレクションを生み出せます。一眼レフやミラーレスカメラの場合も、可能な限りローアングルから水平を維持して構えるのが鉄則です。
また、露出(明るさ)補正は「やや暗め(マイナス補正)」に設定するのがポイントです。画面全体の明るさをわずかに抑えることで、黒漆テーブルの深みが増し、外光を浴びたモミジの色彩が際立ちます。なお、旧竹林院の主室内は三脚・一脚・自撮り棒の使用が禁止されています。来訪者同士が順番に卓前に座り、譲り合って撮影するのが現場の暗黙のルールとなっていますので、マナーを守ってスムーズに撮影を行いましょう。
さらに見落とせないのが「2階座敷からのアングル」です。1階では座卓越しのドラマチックな鏡面世界を楽しめますが、2階へ上がると比叡山の山裾を借景にした約3,300平方メートルの名勝庭園全体を一望できます。異なる視点から立体的な美しさを記録に残すのが、旧竹林院を満喫する上級者の楽しみ方です。