血液検査の項目に並ぶ「尿素窒素」は、臨床現場では英語表記の頭文字をとって「BUN(Blood Urea Nitrogen)」と呼ばれます。これは食事から摂取したタンパク質が体内で分解・代謝される過程で発生するアンモニアを、肝臓が無毒な「尿素」へと変換した代謝産物です。最終的に尿素は血液を介して腎臓へと運ばれ、尿中に排泄されます。
日本人間ドック学会などが定める一般的なBUNの基準値はおおむね8〜20mg/dLの範囲とされています。健康診断で「L判定(Low)」が出る状態とは、血液中の尿素窒素濃度がこの下限値(約8mg/dL未満)を下回っていることを指します。
尿素窒素は「肝臓で作られ、腎臓から捨てられる」というサイクルを辿るため、数値が低くなる理由は大きく2系統に集約されます。すなわち、「肝臓での産生量が著しく落ちている」か、「身体全体のタンパク質代謝バランスが崩れている」という生化学的サインなのです。