季節の移り変わりとともに、咲くタイミングも微妙にずれます。あやめは5月上旬から中旬にかけて、新緑の季節の始まりとともに開花します。これに対し、ハナショウブは5月下旬から6月下旬、まさに梅雨の雨に濡れながら見頃を迎えるのが一般的です。
ここでさらに混乱を招くのが、5月5日の端午の節句で使われる「菖蒲湯(しょうぶゆ)」の存在です。実は、お風呂に入れる「ショウブ」は、美しい紫の花を咲かせるハナショウブとは全く異なる「サトイモ科」の植物です。こちらは地味な黄緑色のガマの穂のような花しか咲かせず、主に強い香りのある葉を厄除けとして利用します。私たちが愛でる美しい花は「アヤメ科」であり、お風呂に入れるのは「サトイモ科」という、驚きの事実があります。