大講堂、食堂(じきどう)、常行堂がコの字型に並ぶ「三つの堂」の前に立つと、誰もが言葉を失う。室町時代から変わらない姿で佇むこれらの木造建築は、国の重要文化財だ。ハリウッド映画でトム・クルーズと渡辺謙が対峙したあの厳かな空間が、そのままの空気感で保存されている。
人工的なライトアップや派手な看板は一切ない。自然光と影が織りなすコントラストが、建物の美しさを際立たせる。雨の日には濡れた木肌が黒く光り、霧が出ればまるで天空の寺院のような幻想的な姿を見せる。四季折々、天候によって表情を変えるその姿は、一瞬として同じものはない。