ハンコいらずの即日開設は非常に便利だが、利用にあたって知っておくべき「意外な落とし穴」も存在する。
第一に、後日「届出印」が必要となる特定の取引が発生するケースだ。たとえば、一部の住宅ローンの契約や、地方自治体の口座振替(公共料金や税金の引き落としの一部)において、紙の書面と届出印の押印を求める手続きが依然として残っている。印鑑不要で開設した口座の場合、後から書面で印鑑登録(お届け印の登録)を行わないと、それらの口座振替設定が完了しないことがあるのだ。
第二に、一日の振込限度額やセキュリティ制限である。eKYCのみで即日開設された口座は、不正送金防止のために初期設定の振込限度額が低く抑えられているケースが多い。高額な取引を即座に行いたい場合、追加の本人確認や一定の猶予期間を要することがあるため注意が必要だ。
さらに、スマホの故障や紛失時のリスクも挙げられる。物理的な印鑑や通帳がないため、端末を喪失した際の復旧手順や認証コードの受け取り方法をあらかじめ把握しておくことが極めて重要となる。