赤ちょうちんが風に揺れ、細い路地から漏れる賑やかな笑い声。そんな昭和の情緒が色濃く残る街並みの中で、ラーメン店の存在感がひときわ光る。数年前までは「酒の後の締め」という位置づけが主流だったが、今やスープの完成度そのものが目的となる目的地型の名店がずらりと立ち並ぶ。
看板のネオンに照らされた路地を歩けば、店ごとに異なる魅惑的な香りが鼻腔をくすぐる。長年愛されてきた濃密な豚骨の匂い、丁寧にとられた澄んだ出汁の香り、そして香ばしい焦がし油の刺激。どこに入ってもハズレがないという期待感が、夜の歩幅を自然と大きくさせる。