手紙や挨拶状で「風薫る」を用いる最適な時期は、暦の上で夏が始まる5月5日頃の「立夏(りっか)」から、5月20日頃の「小満(しょうまん)」の前日頃までが最も適した期間です。広義には5月いっぱいを通して使用できますが、季節の変わり目における移ろいを意識することが大切です。
二十四節気の分類において、5月上旬から下旬にかけてはまさに「初夏」にあたります。ゴールデンウィークが明けて本格的な初夏の陽気を感じる時期に使うことで、文面にみずみずしい季節感が宿ります。ただし、4月下旬の晩春に使ってしまうと「まだ風薫る季節ではない」と季節外れの印象を与えかねません。
また、5月下旬から6月に入ると梅雨の足音が近づくため、「初夏の候」や「向夏(こうか)の候」など次の季節を告げる言葉へシフトするのがスマートなマナーです。体感気温だけでなく、日本の伝統的な暦の節目を意識して使い分ける姿勢が求められます。