かつての自転車ブームといえば、高級なロードバイクを購入し、専用ウェアを着て何十キロもストイックに走るスタイルが主流だった。しかし、その高いハードルに挫折した層は少なくない。そこに登場したのが、移動そのもののハードルを極限まで下げたこの新しいスタイルだ。
運動不足を感じつつもハードなスポーツには抵抗がある層にとって、アシスト機能付きモビリティと食の組み合わせはまさに救世主だった。目的地までの移動自体がエンターテインメントに変わる。途中で気になった古民家カフェにふらりと立ち寄り、テイクアウトした珈琲を公園で味わう。この「隙間の自由」こそが現代人に刺さっている。
参加者のひとりはこう語る。「本格的なサイクリングは準備も大変だし疲れるけれど、これならスニーカーとスマホひとつで出かけられる。食べた分だけ少し消費しているという免罪符も嬉しいですね」