もちろん、ここに至る道筋がすべて順風満帆だったわけではない。民間委託に伴うコストの妥当性や、図書館本来の公共性・専門性が損なわれるのではないかという懸念は、開館当初から議会や一部の市民の間で鋭く問われ続けてきた。
多賀城市と運営側は、こうした批判に対して開示と対話を重ね、選書基準の見直しや司書の専門性維持に向けた改善を行ってきた。単なる民間のノウハウ導入にとどまらず、行政の公共性と民間の企画力が摩擦を起こしながらも互いを高め合っていったプロセスこそ、10年の歩みにおける最大の成果と言えるかもしれない。