権力に執着し、一族の繁栄のためなら肉親すら容赦なく利用する――。大河ドラマで演じた権力者・藤原兼家役は、視聴者に強烈なトラウマとカタルシスを同時に与えた。病に倒れ、徐々に正気を失っていく最期の描写にいたっては、リアルタイムのSNS上で「圧巻」「恐ろしすぎる」と絶賛の嵐が巻き起こった。
単なる悪役として片付けることのできない、人間の弱さや哀愁をにじませる手腕。これこそが彼の真骨頂だ。狂気と知性のギリギリの境目を漂うその眼光は、令和の若者世代の心をも掴み、ベテラン俳優としての評価を揺るぎないものにした。