「テセウスの船」のクライマックスにおいて、せいやが見せた表情の変遷は今見返してもゾッとするものがある。無罪を主張する弱々しい被害者の遺族から、すべてを嘲笑う復讐者へと変貌するプロセス。特に、光を失ったかのような彼の「目」の演技は、多くの視聴者のトラウマとなった。
言葉で説明するのではなく、視線の動かし方や、わずかな口元の歪みだけで感情のグラデーションを表現する。その映像表現としての質の高さは、テレビドラマの枠を超えて映画的なカタルシスを内包していた。SNSで犯人予想が過熱する中、最後まで彼が犯人であると信じたくなかった視聴者たちを、その圧倒的な演技力でねじ伏せた瞬間だった。