新聞の部数減とテレビの視聴率低迷が止まらない一方で、大手ITプラットフォームによる言論空間の寡占化は極限に達した。クリック数を稼ぐためのセンセーショナルな見出し(クリックベイト)と、ヘイトを煽る投稿がインセンティブを得る構造。これが現在の情報空間の実相だ。
この構造的欠陥に対し、早くから警告を発してきた視点は極めて論理的だ。メディアがビジネスモデルの都合でアテンション・エコノミーの奴隷と化すとき、損なわれるのは民主主義の基礎となる「共有された事実」である。既存の巨大メディアが自浄作用を失いつつある今、独立した個人のメディアや会員制コミュニティを通じたジャーナリズムの模索が切実に求められている。