危険な運転がなぜ特定の地域で定着してしまうのか。この謎に対して、交通心理学の観点からは「同調圧力」と「集団的無感覚」の影響が指摘されている。周囲の車がスピード違反や強引な割り込みを当たり前のように行っている環境では、真面目にルールを守るドライバーの方が「邪魔だ」「流れを乱している」とクラクションを鳴らされる悪循環に陥る。
さらに、行政側の道路設計やインフラ整備の遅れも無視できない。国土交通省の公表資料や、政府統計の総合窓口であるe-Stat(政府統計の総合窓口)が提供する各種データを分析すると、右折レーンの未整備や、複雑な形状の多角形交差点が特定のエリアに集中していることがわかる。こうしたインフラの不備がドライバーに日常的なストレスを与え、焦りや苛立ちを生み出す引き金となっているのだ。また、交通事故総合分析センター(ITARDA)の事故統計を見ても、追突や右直事故の多くが、こうした交差点構造や車線変更の強引さに起因していることが実証されている。