スポーツ界を震撼させた国家ぐるみドーピング問題。その闇は、現代のロシアだけでなく、かつてのソ連時代から地続きで存在している。旧反ドーピング検査所の所長であったグリゴリー・ロドチェンコフ博士が暴露した検体すり替えの手法は、世界に強い衝撃を与えた。
かつてソ連国家体制のもとで育成された選手たちに対して、どのような医学的介入が行われていたのか。元選手や関係者の証言が重なるにつれ、当時の棒高跳び界を含めた陸上競技全般における不正のシステムが浮き彫りになってきた。ブブカ自身は一貫して不正を否定しているものの、システム全体に組み込まれていたという疑念を完全に払拭することは容易ではない。