俳優としての活動にとどまらず、彼は映画づくりの根幹にも深く関与してきた。その象徴と言えるのが、企画および主演を務めた映画デイアンドナイトである。盟友である山田孝之がプロデューサーとして参加し、長年の時間をかけて試行錯誤を重ねながら形にした渾身の意欲作だ。
「善と悪とは何か」という普遍的かつ重厚なテーマに正面から挑んだ同作の裏側には、徹底的なリアリティの追求があった。脚本開発の段階から議論を重ね、登場人物のバックボーンをミリ単位で構築。現場では自身が主演でありながら、作品全体のトーンや他キャストの熱量を冷徹に見つめ直すプロデューサー視点を維持し続けた。裏方と表舞台を行き来しながら生み出された妥協なき映像表現は、彼のクリエイターとしての高い志を裏付けている。