彼の真骨頂は、コメディでのコミカルな立ち振る舞いだけではない。サスペンスドラマで見せる冷徹な悪役や、時代劇での重厚な武士、あるいは家族を温かく見守る父親役など、演じる役柄の振れ幅の広さには目を見張るものがある。緻密に計算されたセリフ回しと、表情ひとつで感情を伝える表現力は、長年の舞台経験で培われた確かな技術の賜物だ。
役ごとにまったく異なる表情を見せるため、エンドロールを見て初めて「あの役も彼だったのか」と驚かされることも珍しくない。作品の世界観に自然と溶け込みながらも、強い印象を残す。監督やプロデューサー陣から絶大な信頼を寄せられる理由は、まさにこの卓越したカメレオンぶりに他ならない。