今だからこそ明かせる当時の未公開エピソードもある。どんぎつねの撮影現場では、CG処理される耳や尻尾の動きに合わせて、吉岡自身が身体の角度や視線の動きを数ミリ単位で計算し尽くしていたという。自然なコメディの裏には、緻密に計算された職人技とも言える芝居が隠されていたのだ。
共演者やスタッフへの細やかな気配りも有名なエピソードとして語り継がれている。寒風が吹き荒ぶ屋外ロケでも、常に笑顔を絶やさず、あのキツネの毛皮衣装に身を包んで現場を和ませていたという。ファンタジーな世界観を現実のお茶の間に届けることができたのは、彼女の圧倒的なプロフェッショナリズムがあったからこそと言える。