デジタル全盛の時代にあって、なぜ人々はわざわざ実店舗に足を運び、紙やフィルムでできたグラフィックを求めるのだろうか。その答えは、デジタル画面上の装飾にはない「手触りのある主張」への憧憬にある。誰もが同じ形状のデバイスを持ち歩く現代において、外貼りするステッカーはその人のパーソナリティを瞬時に提示する最もプライベートな名刺となった。
原宿という街が持つ独特の自由さが、このカルチャーの加速を後押ししている。ストリートファッションの聖地として歩んできたこの地では、既製品をそのまま身につけること以上に「自分流にカスタマイズする」行為が高く評価されてきた。店内を巡る客たちの真剣な目つきからは、単に買い物を楽しむ以上の、自身のアイデンティティを構築する真摯な姿勢が伺える。