かつて「PoC(概念実証)倒れ」と揶揄されたオープンイノベーションのあり方も、劇的な脱皮を遂げた。従来の形式的なアクセラレータープログラムは姿を消し、事業会社が自社の基幹ビジネスそのものをスタートアップに開放する協業スタイルが定着している。
製造業の現場では、熟練工の技術継承やサプライチェーンの最適化に向け、AIベンチャーとの共同開発プロジェクトが急ピッチで進む。大企業側は自社のアセットと販路を全面的に提供し、スタートアップはアジリティと尖った要素技術を提供する。互いの利害が明確に一致した対等な提携が増加した。
背景にあるのは、大企業側の強い危機感だ。少子高齢化による人手不足とグローバル競争の激化により、も自社単独での技術革新では生き残れないという認識が全社レベルで共有されるようになった。出資を伴う戦略的提携や、事業シナジーを狙ったM&Aの件数は前年比で過去最高を更新し続けている。