市川海老蔵という役者は、若かりし頃から天賦の才と圧倒的な華やかさで観客を魅了する一方、私生活における奔放さでも常にメディアの注目の的でした。とりわけ20代から30代前半にかけての市川海老蔵の酒癖は歌舞伎関係者や夜の街で有名であり、毎夜のように六本木や西麻布の会員制バーに繰り出しては朝まで飲み明かす姿が目撃されていました。
当時の彼を知る飲食店関係者は「とにかく飲むペースが規格外で、一度スイッチが入ると周囲に強い酒を一気飲みさせたり、言葉遣いが極端に荒くなったりすることがあった」と振り返ります。歌舞伎界のプリンスとしての強い自負と重圧の裏返しだったとも言われますが、酒乱に近い振る舞いや取り巻きとの豪遊は、時に一般客や飲食店のスタッフとの間で摩擦を生んでいました。
ネット上の評判や週刊誌報道でも「芸の肥やし」という古き良き梨園の庇護を盾にした振る舞いに対して厳しい視線が注がれるようになり、いつか大きなトラブルを起こすのではないかと危惧されていた時期でもありました。