救急搬送の現場で今、静かな、しかし確実な変革が起きている。救急車が現場に到着した瞬間から、心電図やバイタルデータ、バイオマーカーの分析結果がリアルタイムでER(緊急救命室)へ伝送される。これを解析するのが、今年度から全面運用されている次世代救急AIプロトコルだ。
患者が病院のドアをくぐる前に、専門医の招集と重症度に応じた処置室の確保が完了する。このシームレスな流れにより、重症脳卒中や心筋梗塞における「ドア・ツー・バローン(来院から処置開始までの時間)」は従来の半分近くに縮小した。一刻を争う現場において、この数分の差が生死を分け、後遺症のリスクを劇的に下げている。