今、北米や欧州のハイエンドなレストランの厨房で、ある「黒いボトル」が存在感を放っている。大分県から海を渡ったフンドーキンの調味料だ。
海外における和食ブームは第3フェーズに入ったと言われる。かつての寿司や天ぷらといった定番メニューの消費から、家庭での日常的な和食調理、さらにはフレンチやイタリアンとのクロスオーバー料理へと進化を遂げた。その中で、旨味(UMAMI)と豊かなコクを兼ね備えた九州醤油の存在感が急浮上している。
特筆すべきは、現地トップシェフたちの評価だ。塩味が突出せず、まろやかな甘みと奥深い芳香を持つ風味が、肉料理のソースや隠し味として絶賛されている。「単なる醤油ではなく、素材の旨味を極限まで引き出す魔法のドレッシングのような存在」。パリの人気ビストロで腕を振るうシェフは、そう語る。