「昭和最後のモテ男」と称された火野正平は、数々の女優やタレントとの噂が途絶えない人物だった。ワイドショーや週刊誌の格好の標的となりながらも、不思議と誰からも憎まれない稀有なキャラクターの持ち主であった。その背景には、相手に対する誠実さと、人間に対する根本的な優しさがあったと周囲の人物は語る。
家庭人としての彼は、表舞台の過熱した報道から家族を守ることに心を砕いていた。息子や娘たちに対して過度なプレッシャーを与えることなく、一人の人間として自立することを促した。型破りな生き方を選びつつも、我が子に対する責任感を持ち続けたその姿は、昭和という時代を生きた男の美学そのものであったと言える。