大人のバイカルアザラシは艶やかなシルバーグレーや暗褐色の体毛を持っていますが、生まれたばかりの赤ちゃんは全身が雪のように真っ白な産毛(ホワイトコート)に包まれています。
繁殖期は湖が一面凍結する2月中旬から3月下旬。母アザラシは氷の割れ目や雪の吹きだまりを利用して「雪洞(アイスデン)」と呼ばれる隠れ家を作り、外敵の目から完全に遮断された氷の中で1頭(まれに2頭)の赤ちゃんを出産します。赤ちゃんの白い毛は、万が一巣穴が崩れて外気に晒された際にも雪景色に溶け込む保護色の役割を果たします。
母乳は非常に濃厚で、赤ちゃんは誕生時の約4kgから急速に脂肪を蓄え、生後約1〜2ヶ月で大人の毛へと換毛。春の訪れとともに氷が解け始めると、自力で水中に飛び込み、一人前のハンターとしての生活をスタートさせます。