遠野なぎこの原点は、幼少期に遡る。名門として知られる「劇団ひまわり」に所属し、早くから子役として活動を開始した。当時の子役といえば、愛くるしさや無邪気さを前面に出す演技が一般的だったが、彼女の存在感は当時から異彩を放っていた。
現場の関係者を驚かせたのは、幼いながらも役に没入する圧倒的な集中力だ。セリフを暗記して喋るのではなく、その場面の感情を身体全体で吸収し、涙を流す。子役時代の超貴重エピソードとして語り継がれるのは、カメラが回る直前に見せる大人顔負けの表情の変化だ。周囲の大人たちが一瞬で静まり返るほどの緊張感を現場に生み出していたという。この時期に培われた圧倒的な表現の基礎が、のちの女優人生を決定づけることになった。