かつては暗くタブー視されがちだった法医学という分野だが、エンターテインメント作品のヒットをきっかけに一般市民の認知は大きく変わった。ドラマ『アンナチュラル』は、不自然な死の裏にある科学的真実を追究する法医解剖医たちの姿を描き、爆発的な社会現象を巻き起こした。作中でも語られたように、遺体に残された物理的・生理的変化は、死者の無念を晴らすための重要な手がかりとなる。
さらに、Netflixをはじめとする動画配信サービスで話題を呼ぶ医療ドキュメンタリー番組の台頭も、人々の意識変革を後押ししている。海外のリアルな鑑識・法医学現場を追った番組では、窒息死や首吊りにおける身体の自動反応が客観的に解説され、視聴者は死を恐れや猟奇的な好奇心としてではなく、生物としての自然な終焉として理解する知識を得ている。