2010年代の創設期から現在に至るまで、このブランドの軌跡は常に固定観念との戦いだった。かつて「甘顔コーデ」や「量産型」という一言で片付けられがちだったスタイルは、いまや高度に計算された自己表現の言語へと進化を遂げている。特に2026年現在のコレクションでは、従来のレースやリボンといったアイコンを保ちながらも、機能性素材や立体的なシルエットを取り入れたアバンギャルドなアプローチが際立つ。
服を着る行為そのものが、ある種のステートメントなのだ。原宿の旗艦店を訪れる海外からの旅行者は後を絶たない。彼女たちが買い求めるのは服だけではない。その背景にある、日本のサブカルチャーが長年かけて醸成してきた「自我の防壁」としてのファッション体験そのものだ。