あの「キンコンカンコン」という音を奏でているのは、クラシックのオーケストラ等で使われる「チューブラベル」と呼ばれる大型の管状の鐘だ。金属のパイプをハンマーで叩くことで美しく荘厳な音色を響かせるが、実は取り扱いが非常に難しい楽器でもある。
「合格」の鐘(キンコンカンコン)と「不合格」の鐘(キン・コン・カンなど)を打ち分ける際、奏者は審査員席からの手元サインを一瞬の目配せで読み取る。生放送の現場では、出場者が感極まって歌が止まったり、テンポが急変したりすることもしばしばだ。奏者は審査員の判定を正確に音へ変換するだけでなく、出場者へのリスペクトを込めた絶妙な響きをコントロールしている。