「ピンクシャンプーを使っていたら、次のカラーで髪が緑色になってしまった」という不可解な噂がネット上で囁かれることがあります。一見するとピンクの補色である緑に変色する現象は矛盾しているように思えますが、これには毛髪内での染料残留と次期カラー剤の引き算ミスという明確な科学的理由が存在します。
ピンクシャンプーに含まれる塩基性赤色染料(特にHC赤や塩基性赤51など)は、毛髪内部のタンパク質に強くイオン結合します。この赤色染料が抜けきらない状態で美容室に行き、流行のアッシュ(青)やオリーブ・マット(緑)といった寒色系カラーを重ねた場合、髪内部で「残留した赤」と「新たに投入された青・緑」が混ざり合い、光の三原色の減法混色によってくすんだドブ色のような濁った緑褐色に変色してしまうのです。
この失敗を防ぐための防衛策は極めて明快です。次回のヘアカラーで寒色系や透明感のあるグレージュにイメージチェンジする予定がある場合は、サロンへ行く最低2週間前からピンクシャンプーの使用を完全にストップしてください。日々の通常のシャンプーによって残留染料をしっかり洗い流しておくことが、カラーの濁りを防ぐ絶対条件です。