我愛羅のビジュアルで最も象徴的なのが、額に刻まれた血のような「愛」の文字です。この文字が刻まれた経緯には、忍の世界における最も残酷な親子の確執と欺瞞が潜んでいました。
我愛羅の実父である四代目風影・羅砂(ラサ)は、里の兵器として息子に守鶴を憑依させながら、制御不能と判断するや否や実子に暗殺部隊を送り込みました。その刺客として選ばれたのが、我愛羅が唯一心を許していた叔父(母の弟)の夜叉丸でした。夜叉丸は死に際、「お前の母はお前を呪って死んだ」「私もずっとお前を憎んでいた」という偽りの言葉を吐き、自爆して果てます。この極限の精神的崩壊の中で、我愛羅は自らの砂を使い、「自分だけを愛し、自分のためだけに戦う修羅」の誓いとして額に「愛」の文字を刻み込んだのです。
後に対第四次忍界大戦において穢土転生された父・羅砂から明かされた真実は、母・加流羅(カルラ)は息子を心から愛しており、我愛羅を守り続ける「絶対防御の砂」は守鶴の力ではなく母の無償の愛の残留思念であったという事実でした。ナルトとの出会いを経て、我愛羅の額の「愛」は「他者を慈しみ、里を守るための愛」へとその意味を180度昇華させていくことになります。