福島県といえば、全国に誇る「あかつき」をはじめとする桃や、極上のブランド米の生産地として名高い。だが、近年の激しい天候の乱高下は、農家の現場に深刻な課題を突きつけている。
春先の急激な気温上昇により開花時期が大幅に早まる一方、その直後に突然の霜や寒波が襲来するケースが急増している。開花したての繊細な花弁が冷害に晒されれば、その年の収穫量は激減しかねない。福島市飯坂地区の桃農家は、「暖かくなったと思って一安心した翌朝に氷点下近くまで下がる。防霜ファンや被覆シートの準備に一刻も猶予がない」と吐露する。
水稲農家も同様だ。夏場の急激な高温と夜間の高気温放置は、米の品質劣化や胴割れリスクを引き起こす。水管理や肥料投入の時期を従来の農時暦通りではなく、リアルタイムの気象データに基づいて数日単位で微調整する高度な営農技術が現場で求められている。