津市を語る上で、絶対に避けて通れないのが「うなぎ」の存在だ。かつて一人あたりのウナギ消費量日本一を誇ったこの街では、うなぎは特別な日のご馳走というよりも、日常のランチとして親しまれてきた歴史がある。2026年現在もその文化は健在で、香ばしい炭火の香りが街のあちこちから漂ってくる。
津のうなぎの特徴は、関西風の「直焼き」スタイル。皮目はパリッと香ばしく、身はふっくらとジューシーに仕上げられる。タレはやや甘めで濃いめ。これが炊きたてのご飯と絶妙に絡み合う。首都圏や名古屋と比べて驚くべきはその価格設定だ。2,000円台から3,000円台前半で、丼からはみ出るほどのボリューム満点なうな重が楽しめる。地元の老舗「新風」や「はし家」などは、平日でも開店直後から行列が絶えない。手頃な価格と圧倒的なクオリティが両立する理由には、長年培われた仕入れルートと、地域に根付いた大量消費のサイクルがあるのだ。