タカラダニの発生時期は非常に限られており、毎年4月下旬から現れ始め、5月にピークを迎えます。その後、6月中旬から梅雨の雨が続く季節になると、嘘のように姿を消すのが年間を通したサイクルです。
では、なぜ土や草むらではなく、無機質なベランダやコンクリート壁に集まるのでしょうか。主な発生理由は次の3点に集約されます。
- 餌となる花粉や有機物が豊富:タカラダニの成虫は、飛散してコンクリートの表面や溝に堆積したスギ・ヒノキなどの花粉、微小な昆虫の死骸、有機物を主食としています。
- 日当たりと保温性:日当たりの良い南向きの外壁やベランダのコンクリートは熱を蓄えやすく、変温動物であるダニにとって活動しやすい至適温度を保ちます。
- 産卵に適した微細な隙間:コンクリートやレンガの多孔質な隙間、タイルの目地は、外敵から卵を守りながら越冬させる格好の産卵場所となります。
つまり、春先のコンクリート構造物は、タカラダニにとって「豊富な食料」「最適な温度」「安全な住処」が完璧に揃った理想郷となっているのです。