施設の背後にそびえ立つ白く巨大な煙突。それが王禅寺処理センターだ。川崎市民が出した可燃ごみはここで日々焼却処理されている。かつて迷惑施設と敬遠されがちだった清掃工場を、市民に愛される還元型拠点へと昇華させた立役者こそが、この余熱利用施設という仕組みに他ならない。
ゴミを燃やす際に生じる高温の熱エネルギーは、蒸気パイプを通じて館内へと送られる。湯気を上げる温水プールも、広々としたジャグジーも、真冬の館内暖房でさえも、元をたどれば家庭から出たゴミのエネルギーだ。無駄に大気へ逃がすはずだった熱を徹底的にすくい上げ、市民のウェルネスへと還元する。エコという言葉が定着する遥か前から、この場所では確固たるエネルギー循環が息づいている。