赤門をくぐった先にある歴史的建造物の影で、捜査班は目立たぬよう周念に配置されていた。警視庁がこの事案の全貌解明に向けて動いていたのは、数ヶ月も前のことだ。極秘裏に進められた捜査線上に浮かび上がったのは、膨大なデータの不自然な整合性と、暗闇に消えた資金の流れだった。
現場となった研究棟周辺では、深夜遅くまで明かりが灯る部屋が目撃されていたという。捜査関係者によれば、容疑者の行動パターンは極めて用意周到であり、尾行や監視を警戒するような挙動すら見せていた。しかし、積み重ねられた客観的証拠の前に、ついに強制捜査の執行へと至ったのだ。キャンパス内に走った緊張感は、今なお消え去っていない。