「ゼネコンの高年収は膨大な残業代で底上げされているだけではないか」という疑問は、就職・転職希望者が最も懸念する点の一つです。この実態について、ボーナス支給構造と現場手当の観点から検証します。
業績連動賞与(ボーナス)の圧倒的なボリューム
鹿島建設の年収水準を押し上げている最大のエンジンは、手厚いボーナス支給実績にあります。好業績が続く同社では、夏冬合わせた年間賞与として年間6.0〜8.0ヶ月分前後が支給されるケースが定着しています。30代中盤の社員であれば、1回のボーナス支給額が200万〜300万円(税引前)に達することも珍しくなく、これが年収を大きく押し上げる要因となっています。
残業上限規制の定着と現場手当の実情
建設業界における時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間、繁忙期特例あり)が完全に定着した2026年現在、現場の働き方は様変わりしました。かつてのような無制限の残業代上乗せは消滅し、工期管理の徹底や自動化施工技術(A4CSELなど)の導入による業務効率化が進んでいます。
「残業代が減って年収が激減したのでは」という懸念に対し、現場社員からは以下のようなリアルな声が聞かれます。
「確かに以前のように月100時間残業して稼ぐスタイルは過去のものになりました。しかし、会社側が基本給のベースアップを継続したことに加え、現場勤務手当、別居手当(単身赴任手当)、宿舎補助が非常に手厚いため、実質的な手取り収入が急落した感覚はありません。むしろ労働時間が適正化されたことで、時間単価あたりの満足度は上がっています」(30代・建築施工管理職社員)
総合職と技術職・事務職の年収格差はあるのか
基本給テーブル自体は「事務系総合職」「技術系総合職(建築・土木・設計・研究開発など)」で同一の体系が適用されます。しかし、現場に配属される技術職(施工管理等)には現場手当や休日出勤手当、出張手当が加算されるため、同一年齢・同一役職であっても、内勤の事務職や設計職に比べて年間100万〜200万円ほど現場配属者の額面年収が高くなる傾向があります。