弁護活動を共にした弘中惇一郎弁護士をはじめとする司法・法曹界の関係者たちは、当時の村木家の様子を口々に称賛している。国家権力から強烈な圧力を受けると、多くの家族は猜疑心や恐怖から分断されてしまうことが多い。しかし、村木家においては誰一人として感情的にならず、淡々と、かつ緻密に事実確認を進めていたという。
官僚・行政のドタバタ劇や法廷闘争の裏側で目撃されたのは、理知的でありながら情に厚い娘たちの素顔だった。検察側が提示する供述調書の矛盾点を家族会議で分析し、弁護団に的確なフィードバックを与える姿は、プロの法曹関係者を驚かせた。捜査機関の狡猾な誘導尋問に屈しなかった母の強さは、そのまま娘たちの芯の強さへと受け継がれていたのだ。