現代の日本競馬は、スピードとマイル〜中距離への適性を重視する生産トレンドが加速しています。この環境下で、天皇賞における血統傾向と種牡馬実績は劇的なパラダイムシフトを迎えています。
かつて天皇賞・春を席巻したディープインパクト産駒やステイゴールド系に代わり、近年存在感を高めているのがキタサンブラック産駒やエピファネイア産駒、ドゥラメンテ産駒です。これらの血統は豊富なスタミナに加え、現代の高速馬場にアジャストできる力強い持続力を兼備しています。母系にトニービンやサドラーズウェルズといった欧州の重厚な底力血統を内包する配合馬が、秋の直線の坂、春の淀の下り坂からのロングスパートで真価を発揮します。
さらに、天皇賞の前走ローテーション分析において特筆すべきは、「前走ステップレースを使わない直行ローテの台頭」です。ノーザンファーム天栄やしがらきをはじめとする最新の外厩施設での調整技術向上により、春は有馬記念からの直行、秋は宝塚記念やドバイ・香港遠征からのぶっつけ本番が完全に勝利の方程式として定着しました。かつて必須とされた「叩き2戦目・3戦目の上積み」という概念は、消耗を避けてGI本番で100%のパフォーマンスを出す現代の調教トレンドによって完全に塗り替えられています。