萬屋錦之介版のテレビドラマで大五郎を演じ、日本中に大ブームを巻き起こしたのが西川和孝です。愛くるしい丸刈り頭と澄んだ瞳で、父に向かって「ちゃん!」(江戸言葉で父親の意)と呼ぶ演技は当時の流行語となり、お茶の間のアイドルとして絶大な人気を誇りました。
しかし、子役引退後の彼の人生は、誰もが予想し得なかった壮絶な転落の道を辿ることになります。芸能界を離れた西川は、水泳指導員などを経て新潟県白根市(現・新潟市南区)の市議会議員選挙に出馬し、最年少当選を果たして政治家へと転身を遂げました。このニュースは当時、元人気子役の華麗なる転身として大きな話題を呼びました。
ところが、選挙資金や金銭トラブル、リゾート開発を巡る多額の借金に追われるようになり、次第に困窮を極めていきます。そして1999年、タイのバンコクで知人の金融業者を殺害し現金を強奪する凶行に及びました。逃亡の末に現地で身柄を拘束された西川は、強盗殺人と死体遺棄の罪に問われ、無期懲役の確定判決を受けました。昭和を代表するスター子役が辿ったあまりにも暗い結末は、当時社会に計り知れない衝撃を与え、現在も服役生活を続けています。