結論から言えば、「つぶらな瞳」を「目が小さい人の遠回しな表現」と解釈するのは完全な誤用です。国語辞典や語源研究において、つぶらな瞳の意味は「丸くて愛らしい目」「クリッと丸みを帯びてかわいらしい瞳」と明確に定義されています。
漢字で表記すると「円らな瞳」となります。この円らな瞳の語源にある「つぶら(円ら)」という古語は、「つぶ(粒)」と同源であり、角がなく丸みを帯びている形状や、ふっくらとして愛嬌がある様子を表す言葉として奈良・平安時代から用いられてきました。けっしてサイズが小さいことを指す言葉ではなく、「欠けたところがなく、綺麗に丸い形状」を称賛する言葉なのです。
それにもかかわらず、なぜつぶらな瞳の誤解が現代に広まってしまったのでしょうか。大きな要因は、マンガやアニメなどで「つぶらな瞳のキャラクター」を描く際、極端にシンプルな点や小粒の黒目で描写されるケースが多かったことにあります。視覚的なデフォルメ表現と言葉の響きが結びつき、「小粒な目=つぶらな瞳」という誤ったパブリックイメージが定着してしまいました。しかし、本来の意味を知れば、相手から贈られた言葉が純度100%のつぶらな瞳の褒め言葉であったことが理解できるはずです。