ネット上の掲示板やSNSでは、「業務スーパーの焼肉肉は筋っぽくて臭みがある」「脂がギトギトで胸焼けした」といった厳しいレビューが散見されます。一方で、「家族4人で満腹食べても3,000円台」「下処理さえすれば有名チェーン店と変わらない」と絶賛する声も根強く、評価は真っ二つに割れています。
食品流通の専門家や食肉加工の現場視点から分析すると、否定的な評価が生まれる背景には3つの明確な理由が存在します。
第1の理由は、解凍時のドリップ流出による旨味と水分の損失です。業務スーパーの焼肉用肉は大部分が冷凍状態で販売されています。これを電子レンジで急速解凍したり、室温に長時間放置したりすると、細胞膜が破壊されて肉汁(ドリップ)が大量に流出してしまいます。その結果、パサつきやパサパサした食感、冷凍焼け特有の獣臭が際立ってしまい、「まずい」という印象に直結するのです。
第2の理由は、「やわらか加工肉(インジェクション肉・結着成型肉)」と「正肉」の識別不足です。商品パッケージに「やわらか牛ハラミ」などと記載されている商品の多くは、牛脂や調味料を注入して繊維を柔らかく加工したインジェクション肉です。これを一般的な精肉と同じ感覚で強火で焼いてしまうと、内部から調味液や脂が過剰に溶け出し、独特のブヨブヨした食感や脂っこさを感じることになります。
第3の理由は、海外産冷凍肉特有の脂質の酸化です。大容量パックは表面積が広く、空気に触れやすいため、冷凍庫内での長期保存や温度変化によって脂がわずかに酸化し、特有のクセを生むことがあります。適切な下味付けや香味野菜を活用しないまま素焼きにしてしまうと、その臭みがダイレクトに舌へ伝わってしまいます。