世間の一部では「世間体を気にしただけの仮面夫婦ではないか」「偽装離婚でビジネス上のメリットを狙っているのでは」といった冷ややかな憶測も散見されました。しかし、両者の内実を綿密に取材していくと、従来の仮面夫婦とは決定的な相違点が存在します。
仮面夫婦の多くは、対外的な体裁や世間体のために「戸籍上の婚姻を維持しながら、家庭内では冷戦状態」に陥るケースを指します。そこには会話の断絶や互いへの軽蔑が渦巻いており、家庭内は常に緊張状態にあります。
対照的に、加藤ローサさんと松井氏の場合は「法的な戸籍をあえて解消し、家庭内では円滑な対話を維持する」という正反対のベクトルです。番組内で加藤さんは「永久的に住み続けるわけではない」「子供たちが巣立つまでの役割を果たしたい」と明言しています。ゴールを明確に定めた「期間限定の共同プロジェクト」として子育てを位置付けているからこそ、無用な依存や甘えを断ち切ることができているのです。
互いに干渉しすぎない心理的バウンダリー(境界線)が引かれたことで、むしろ結婚生活の終盤よりも穏やかな会話が増えたという証言もあり、冷え切った仮面夫婦とは根本的に異なる構造を持っています。