「ウイダーinゼリー」の名称からウイダーの冠が外れた直接的な契機は、森永製菓と米国ウイダー社(Weider Global Nutrition)とのブランドライセンス契約の終了にあります。
両社の提携は1983年に遡ります。森永製菓はフィットネス界のパイオニアである米国ウイダー社と提携を結び、日本国内でプロテインパウダーや健康食品の展開を開始しました。その後、1994年に画期的なチアパック入りゼリー飲料として発売されたのが「ウイダーinゼリー」でした。手軽に飲めて腹持ちが良いという新たな食習慣を提示し、日本市場で爆発的なヒットを記録します。
転機となったのは2014年です。森永製菓は大規模なリブランディングを敢行し、パッケージ中央の「in」の文字を際立たせ、「Weider」のロゴを左下へ小さく配置転換しました。当時、市場関係者の間では将来的なライセンス解消を見据えた布石と囁かれていましたが、まさにその予測通り、2018年3月31日をもってウイダー社との商標使用契約を満了・終了させることが正式発表されました。
契約終了の背景には、多額のブランドロイヤリティ(商標使用料)の支払いを解消する財務的メリットに加え、ブランドが抱えるターゲット層の拡大がありました。「ウイダー」という名称は筋肉トレーニングや本格アスリートの印象が強く、日常的な体調管理、受験勉強、オフィスワーク、育児中の栄養補給といった幅広い生活シーンへ商品を拡大する上で、自社単独ブランド「in」として再定義することが不可欠だったのです。