自らの変貌を自虐混じりに、かつ強烈なインパクトで世に示してみせたのが、俳優の寺田心が出演したテレビコマーシャルだ。テレビCM「本だけじゃないブックオフ」篇で魅せた彼の全力の演技と表情は、視聴者の記憶に深く刻み込まれた。ブックオフの店内で叫ばれた「本だけじゃない!」というセリフは、長年「本屋」として浸透していた世間の認知を力ずくで書き換えるほどの威力を発揮した。
このテレビコマーシャルの成功は、単なる認知度の向上にとどまらなかった。「ブックオフに行けば、服も家電も売れるし買える」という新しい常識を、お茶の間に一瞬にして定着させたのだ。かつて子役として愛らしさの象徴だった寺田心が、成長とともに見せた情熱的なパフォーマンスは、劇的な脱皮を図るブランド自身の姿と見事にシンクロしていた。エンターテインメントの力を借りて自らのパブリックイメージを再定義した見事なブランディング戦略だったと言える。